お嬢様の秘密Ⅱ

パーティー

見たことない天井がボンヤリ目に入る。


そうだ、私はフラワー宮にいるんだ………。


「………朝か………。」


時計を見ようと思って脳を覚醒させる。


6時………じゃあ起きようかな。


私を抱きしめていた葵に腕を起こさないようにそっとはずした。


ゆっくりと起き上がって自分の姿に気づいて驚いた。


「………ユリ………隠せ………朝から俺を苦しめるな………。」


葵も目をこすりながらこちらを見ていた。


慌てて床に落ちていた服を着た。


「おはよう、葵。」


「………おはよ。今日は出かけるから浅井も呼んでおけよ。」


出かけるって………どこへ?


ーコンコン


聞こうと口を開きかけた時ノックが聞こえた。


「開けていいわよ。」


「失礼します。おはようございます。お声が聞こえたものですから。」


扉を開けたのは広大さんだった。


「朝食がそろそろ出来ますので食堂へお越しください。」


「広大さん、浅井に8時にフラワー宮の前に集合って言っておいて。」


「かしこまりました。」


一礼してドアを閉じた。


改めて部屋を見たけど………葵の上着が床に………。


広大さんの異常な冷静さに驚きを隠せなかった。
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