お嬢様の秘密Ⅱ
さて、私たちはパーティーの会場へ向かった。


学園からは少し離れたところにあるので旅館に泊まるそう。


「で、どういうパーティーなの?」


「なんだったけ?実は私もパーティーに出るの2回目なんだよね。」


浅井家主催で夏菜の14歳の誕生日に開いたパーティーに参加したんだって。


「未来を担う若者を集めた親睦会みたいなもの。

学園のやつらは学園長が情報統制して、パーティーがあることを知らないから来ないぞ。」


………それって大丈夫なの?


「心配するな。月一回程度で行われているやつだから。」


あまり安心できないからこの件は目を瞑ろう。


「で、私はどうして連れてこられたの?夏菜は浅井家令嬢だから納得できるけど。」


首をすこしかしげながら夏菜を見るとかなりあきれた目をされた。


「………あなた令嬢なの忘れてるわね。広大さんからユリの付き添いがてら参加するように言われたのよ。

今回のやつはパーティー初心者でも大丈夫だからって。」


広大さんからってことはお祖父様の意志………


これは少しプレッシャーを感じるかも………


「ユリ、会長の孫であることは言うべきだと広大さんが言っていた。」


「真理亜様も……ユリに味方するって言っていたんでしょう?」


「………分かったわ。素性を聞かれたらそれとなく言ってみるわ………。」


まだまだ会場は遠いのに肩に重荷を乗せられた気がした。

< 219 / 318 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop