お嬢様の秘密Ⅱ
-大樹side-


「みなさんお久しぶりです。すぐに帰りますが短い間よろしくお願いします。」


「「「きゃー」」」


あぁうるせぇ。


だから日本は嫌なんだよ。


親に呼び出されたと思ったら裃に通えって。


親父はいったい何考えてんだよ。


心に思っていることを出さないように得意の営業用スマイルを見せる。


王子様キャラは守らないといろいろと家のことで差し障る可能性があるから。


周りを見渡すと2人の女子がこちらを見ながら話しているようだ。


クラスの女子はほとんど周りで集ってんのに…。


珍しいと感じた。


「挨拶してない人がいるからちょっと通してくれる?」


「はい!!」


近くにいた女子が俺から少し退くと周りも同じように引いていった。


「西月恵梨香さんですよね?」


俺はこの学園に来る前に資料を見たから大体の人の顔と名前は一致している。


隣は…一般家庭の子か?


「左様にございます。ご挨拶が遅くなり申し訳ございません。秋本様。


わたくしの隣におりますのは山岸莉依紗です。」


山岸って....まさか。


聞こうと思ったが....。


「ねぇ大樹様??この方たちはほうっておいて私たちとお話しません?」


どうやら挨拶が終わり次第くっつきにくるつもりだったらしい。


あぁうぜぇ。


「ごめんね、僕ちょっと用事があるので今日はこれで失礼いたしますね。」


「「「えぇ---ー!!」」


「もっといてくださいませ。」


「来たばっかりではございませんか。」


....無秩序なやつらだな。


「僕の言うこと....聞けませんか?」


といえば女たちはピキっと固まった。


俺はその横をさっと通り過ぎることが出来た。


-大樹side end-
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