お嬢様の秘密Ⅱ
「おはようユリ。朝からイチャイチャしないでよ。」


………夏菜に見られた。


優雅にコーヒーを飲みながらクスクス笑われて恥ずかしい。


「葵、降ろして。」


「このままでいいだろ?」


「……分かったわよ。」


ソファーは3人分ぐらい空いてるのに………


「玲央は?」


持っていたカップを置いて注ぎ直していた。


「もう仕事行ったわよ。もう少ししたら帰ってくると思うわ。」


どこか寂しそうだった。


久しぶりに長い間一緒にいたからなのかな。


私は話を変えることにした。


「夏菜はご飯食べた?」


なぜか夏菜は顔を真っ赤にしていた。


「………食べたわよ………。」


そんな夏菜を見て葵は苦笑いになっていた。


「浅井、大変だな朝から。」


「高澤君だって朝からやってるじゃない。」


「アイツだいぶ欲求不満なんじゃないのか?しばらく我慢しとけよ。あれは桜井家の特徴らしいぞ。」


「………覚悟するわ。学校行かなくていいって言われてよかったかも。」


………ねえ、何の会話しているの?


「とりあえず玲央が帰ってくる前に支度してチェックアウトしましょうか。」


話を慌てて変えられたけど、夏菜の言うことは最もだ。


私たちは急いで支度を終わらせた。
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