お嬢様の秘密Ⅱ
ここで玲央が口を挟んだ。


「大旦那様は私を呼びにイギリスへ行ったと仰っていました。」


「これで決まりだわ。」


真理亜様は何かを確信したみたいだった。


「本当は普通に登場するつもりだったけど思わぬ悲劇があってお話しで聞いた通りに登場して。

周りからはめったに来ない会長が助けに来るほど大事にしている孫として映ったでしょうね。

普通に紹介するよりインパクトが大きいわよ。」


………お祖父様、何てことを………。


まだ学園が片付いていないのに……。


「ユリ、片付くまで今まで通りの態度でいるから安心して。」


私の暗い表情に気づいたのか、明るい声で話しかけてくれた。


「で、ユリはここに引っ越しなさい。護衛も付けやすいし。………葵様も。夏菜さんも。ユリと仲がいいことで狙われやすくなるから。」


「ごめんなさい………。」


関係ない人を巻き込んじゃった………


「ユリ、私たちは心配しないで。狙う奴が悪いの。ユリは全く悪くないわ。」


夏菜が私の肩をポンポンと叩いて慰めてくれた。


「密かに準備いたします。では私はこれで。」


立場上執事である玲央は準備に向かってくれた。


その間私たちは4人は他愛ない話をしていた。


………本来は優しいんですね、お姉様。
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