お嬢様の秘密Ⅱ
「そして過去に私を監禁させたり誘拐未遂を起こさせたのはあなたでしょ?今回の襲撃も。」


「物証はあるのかしら?動機はバッチリよね。」


もう隠す気もないみたい………


反省の色が見えないことに1番悲しくなった。


「さよ様、私が総力を挙げて調べました。先日の襲撃はまず学園の空き教室に忍べるほどの技量があるか確認し、その後散歩に出かけた真理亜とユリを狙いましたね?

護衛が証言し、襲った男たちも身元は割れて物証もあるので逮捕しましたけど。」


束になった書類をバサッと捨てた学園長。


「それだけ証拠が揃っていればいいわけも出来ないわね………。参ったわ。」


ーパーン


「………っ………」


はっと前を見ると、さよ様が私の方へ銃口を向けていた。


さよ様はその漆黒のドレスに合うような小さいカバンを持っていたことに今気づいた。


油断してた………右肩に当たったかも………。


「最後に1ついいですか?」


「遺言?聞いてあげてもいいわよ。」


「………死ぬ気はありませんよ。あなたの一番の大きな勘違いをお知らせいたします。」


「………何それ?」


私はお祖父様から2枚の紙をもらった。


「養子登録………?これがどうかしたの?」


「印鑑を確認してください。」


「………っ!これって………!」


「そう…………偽物です。夏海もお姉様も養女ではございません。お祖父様は養女登録をしたふりをしただけです。」


さよ様は紙を落として呆然としていた………。


「………人はあなたの人形ではないです。気づいていただけましたか?」


どうか………伝わって………

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