お嬢様の秘密Ⅱ
-大樹side-


りいが寝始めてだいぶ時間が経った後、手術中のランプが消えた。


「莉依紗、起きて、終わったよ。」


俺に抱きついて離れない莉依紗を起こそうとしたが、全く起きない。


「………疲れてんのかな。」


寝かしといてやるか。


手術室の扉が開き、医者が出てきた。


「大樹様、無事終了いたしました。お腹も脚も止めました。これで異常がなければ大丈夫です。」


「ありがとう、賢吾さん。」


お袋の主治医の息子さんでパーティーでよくお見かけしていた。


莉依紗の面倒も見てもらってるし。


賢吾さんは腕の中の莉依紗を見た。


「………あれから起きられましたか?」


「ああ。なんとかなだめすかして落ち着かせたが………。」


「しばらく着いていてあげてください。………実はユリ様も………。」


ユリがどうかしたのか?


賢吾さんは言いにくそうに話してくれた。


「………痣がありました。虐められていたのですか?胃潰瘍に近い症状が見受けられました。」


「………いじめられていたらしいが真理亜が解決した。重度のストレスじゃないのか?」


「その可能性もございますし、何か特訓してその時に痣をつけてしまったのかもしれませんね。」


女の子なんだから肌は大事にしてもらいたいんだけど。


「起きるのはいつ頃になるか分かりません。ストレスも見受けられましたから。………莉依紗様には言わないほうがよろしいです。」


「………分かった。」


変に動揺させたくないしな………。
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