お嬢様の秘密Ⅱ
眩しさを感じて目を開けた。


どこここ………?


起きようとしたら手に重みを感じた。


………葵?


寝顔が可愛くてつい髪をいじった。


「くすぐったい………ってユリ!?起きたのか!?」


「おはよう………?」


どうしてそんなに驚いているの………?


「よかった………。」


泣きそうな顔になりながらギュッと抱きしめてくれた。







ーガラ


「高澤君?交代………ってユリ!」


私を抱きしめていた葵をどかして抱きついた。


「夏菜………。」


「もう!心配したんだからね、このバカ!」


「………浅井力強いな………。」


「彼女を嘗めんなよ。」


「玲央?」


「夏菜の悲鳴を聞いてナースコールしておいたから。どうせこの2人は抱きついただけだろ?」


玲央に見通され、2人は苦笑いを浮かべた。








「異常はないですね。傷の経過を見て後2週間ほど入院すればだいぶ治まりますよ。」


この後お母さんが呼んだ医者が検診に来てくれた。


「この後皆さんも向かわれるそうです。では、私は行きますので困った時はお呼びください。」


あの医者はお母さんの主治医で信用しているらしい。


「ここ病院だったんだね………。」


腕に打たれた点滴を見ながら今更ながら気づいた。


< 277 / 318 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop