お嬢様の秘密Ⅱ
ふと部屋を見渡せば、隣にベッドが置いてあった。


使った形跡も。


「………葵、泊まってくれたの?」


「………そうだ。ここに仕事を持ち込んで泊まりで。」


そこまでしてくれたの………


「なあユリ、約束してくれないか?」


いつになく真剣な表情だった。


「………もうあんな無茶しないでくれ。せめてもっと考えてくれていることを話してくれたらこっちも対処出来たんだ。

自己犠牲を払ったらどうにかなると思ってるんだろう?」


「………そうだったかも。………もうしないから。」


「………浅井なら玲央が戻ってきて会いにこなかった理由を知っているから安心しろ。………っていうかあの2人………。」


「どうかしたの?」


何か嫌なことでも思い出したのか暗い顔になっている。


「………一応言っておくが俺らのクラスで処女だったのはお前ら3人だけだからな。」


どうしてそれを急に。


「他の子って………もう大人の世界だったの?」


「………って理央兄が言ってたぞ。」


理央兄は手が早いから………と頭を掻きむしりながら話す葵。


「……だから襲われるなよ。」


「………私なんか襲わないでしょ。」


だってピストル避けたんだよ?

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