お嬢様の秘密Ⅱ

報告

私が入院している間に夏休みは過ぎていった。


お母様の執念の捜査でさよ様の余罪と夏海と陽菜の共犯の証拠をつかんで逮捕された。


それもお母様と山岸のお祖父様がタッグを組み全て終わらせた。


これだけ大掛かりな操作をしたのに“鬼の警視正”と“温情なしの警視総監”なんて呼ばれている2人には情報統制は簡単だったみたい。


「改めてお祖父様。初めまして。」


「大きくなったな………。」


そばに寄ると、にこやかに頭を撫でてくれた。


温情ないなんて言われているけどすごく優しいお祖父様だった。


夏休みも残り少ない中、私はお祖父様にお礼を言うために山岸家本家に出かけた。


「どうして旗当番のおじさんを?」


私が小中学生の頃毎日のようにパトロールに来てくれたおじさん。


まさか本当のお祖父様とは思わなかった。


「成長していくところを見たくてな………。あとはお前を見張らせていた亮治に会いやすいんじゃよ。」


「そんなに迷惑かけてたの?」


「そうじゃない。わしも亮治もやりたくてやっていたんじゃよ。どうせわしの仕事は椅子に座って偉そうにしているだけじゃから。」


茶化して話してくれたおかげで緊張も解けていった。
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