お嬢様の秘密Ⅱ
「誠一郎、その辺でやめておけ。お嬢様がかわいそうだ。辰彦もだぞ?」


飲み物を持ってきてくれた広大さんが助けてくれた。


「助かった………。」


私の頭上で睨み合っていた2人をやんわりと引き離してくれた。


「今のユリの執事は広大だったのか?」


辰彦お祖父様、びっくりした様子。


「そうですが?これもお嬢様と誠一郎の計画の関連だがな。」


理央を真理亜様につけて様子を見させ、竜也さんに夏海を監視させたら広大さんしか長男はいなかった。


「でも後継者の執事は長男とかいう規則あったよな?」


「俺は長男だ。これで文句は出ないでしょう?」


「なるほどな………ユリはチートも思いつくわけだ………。」


なんか話が勝手に進んでる………。


「お祖父様たちって知り合いなの?」


「「「今更か!?」」」


………だって話に入れなかったし。


「俺が1つ年上で誠一郎と辰彦が同級生だったな。あと奈々子と雪穂もそうだし。」


「お嬢様もあのまま通っていれば後輩でしたな。」


「春日高校の先輩後輩だぞ、ユリ。隆治に聞かなかったのか?」


「………安藤先生からは何も………。」


どこでどうつながっているか分からない。


世間って狭いんだな……と今更ながら感じた。
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