お嬢様の秘密Ⅱ
「わしらは忙しい身じゃからたまにはゆっくり話そうかのう。」


「たまにはそうしようか。」


今回私のお祖父様2人が顔を合わせたのは………


「奈々子、久しぶり。会いに来れなくてごめんな………。」


そう、この案内されたサロンは奈々子お祖母様のお部屋。


オフィスの仏壇と違うのは遺骨が置いてあること。


みんな1回ずつお鈴を鳴らし、静かに合掌した。







「お祖母様ってどんな方だったんですか?」


お母様から聞いた話のイメージしかないんだけど。


「明るいな、とりあえず。あとはユリに似て天然だったか。」


「お前苦労していたよな。誰にでも優しくしてモテてさ。男の前でも普通に露出した服を着てて。」


「そうじゃった。私は貧相だからなんて自覚なしで鈍感だから惹きつけるのに大変だったな………。」


「そういうところはユリに引き継がれてるんじゃないか?大樹はお前似でタラシだろ?」


………お父様ってタラシだったの?


「葵が大変そうにしておるからそうかもな。ユリ、自覚して葵をいじめてやれ。愉しいぞ?」


「………じゃあ今度やってみます。」


何をどうするかは分からないけどとりあえず返事だけは………
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