お嬢様の秘密Ⅱ
「初めまして………じゃないわね。」


ドアを開けると、メイドさんたちが大集合していた。


「以前にもドレスを着付けてくださいましたよね。まさかお祖母様とご懇意になさっている方々だとはつゆ知らず申し訳ありません。」


謝罪して恐る恐る顔を上げると………


「まあ!雪穂より素晴らしいわ!」


「雪穂ちゃんはこんな丁寧な挨拶はしないわ!」


おばさまたちにギュッと抱きしめられた。


「ユリお嬢様が謝ることなんて何もないわ。私たちだってさっき聞かされたし雪穂には世話になったし。」


抱きしめてきたうちの1人のおばさまが私の胸を服の上から揉んできた。


「………ひゃあ!」


「雪穂よりあるわよ………。ふっふっふ………。」


「たっぷり磨いて差し上げますからね!」


おばさまたちに服を脱がされお風呂ですら洗ってもらうなんてどこかの貴族の令嬢かと思った………。


今回、着付けてくれたのは振袖。


今日のパーティーはカウントダウンパーティー。


正月もあと数時間と迫っているこの日頃にちょうど良い柄の振袖だった。


「これは………タオル巻かなくちゃ。ちょっと大きすぎるから。」


「そうね………髪型はリボンをモチーフにして編みこみいたしましょうか。」


………もう好きにしてください………


始まる前からだいぶ疲れてしまった。
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