お嬢様の秘密Ⅱ
《初めまして。私は秋本優莉と申します。》


《おー!あなたが会長のお孫さんだね?私はマックだ。》


挨拶代わりのキスをした。


「これでいい?」


「で、お前は話さないのか?」


あ……怒りすぎて顔が真っ赤。


「……言語勝負なんて聞いてないわよ!」


「だって言ってないし。喧嘩ふっかけてきたのはそっちだろ?

しかも今話したレベルのことが分からないならここにいることを恥じるべきだ。

えっと………崎元だっけ、クラスで見かけたことあると思ったけど。路頭に迷いたいなら桜井家が全面で出るよ?」


玲央の脅しに完璧に負けてしまったみたいで、崎元さんは取り巻きを連れて出て行った。


《お見苦しいところを………申し訳ございませんでした。》


玲央が丁寧に謝罪する。


《いや、俺はあのお嬢さんの教育係なんだがちっとも英語を覚える気が無くてね。体を開くことしか能がないみたいだ。

だからこっちから願い下げかな。

………で、お孫様はなんで俺にドイツ語で話しかけたんだ?》


これ聞かれたらマズイほど下品な話だよね………


《お祖父様からドイツ語で話しなさいと言われていたので。変えましょうか?》


《いや、俺はドイツ人だから大丈夫。じゃあ俺は挨拶回りしてくるから。またな、お嬢さん。》


仕事終わった………!!


「ユリ、サンキュー。勝手に腰に手を回して悪かったな。」


「大丈夫。夏菜は寛容だし、葵なら理央に言いつけるって言えば大人しくなるから。」


ドリンクが切れてしまっていたから新しいものを持ってきてもらった。
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