お嬢様の秘密Ⅱ
-大樹side-


今日の朝はいつもより早く目が覚めてしまった。


なんか嫌な予感がするな。


「お目覚めでございますか?大樹様。旦那様からの通信が来ておりますのでお繋ぎいたします。」


親父?


こんな朝っぱらから一体何の用だよ。


「大樹、お前しばらく日本で暮らさないか?」


「どうしたんだよ、2ヶ月だけでイイって言ったじゃないか。急に変更するってことはよっぽどの理由でもあったのか?」


「竜也からお前が学校に楽しそうに行くのを久しぶりに見たとの報告があってな。どうせだったらもうしばらくいるか?」


竜也....。


しかし親父がわざわざ俺の意見求めてくるなんてな。








当時の大樹と義父様はあまり仲が良くなかったみたい。


今は少しはマシになったみたいよ。








「珍しくねぇか?親父が俺の意思を聞いてくるなんて。何かあったのか?」


「西月家のご令嬢との婚約だが....。あちらがだんだんしつこくなってきたのだ。家柄もいいお嬢様だから婚約しても差し支えないと思っていたが....。」


「経営関係の危機ということでしょうか。」


「おそらくな。だか、西月家のご令嬢を気に入ったのならそれでいいが....。」


「嫌いではないですよ。」


「なら私が最終決定することにする。もともと政略結婚を覚悟していただろうから大丈夫だろうな。」


「はい、分かりました。」


この時はっきりと気づいていればあとあと後悔することはなかっただろうに....。


-大樹side end-
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