お嬢様の秘密Ⅱ
「私は奈々子に少しでもその悔しさがはらせたらいいと思って、年齢的にも問題ないと思って婚約者を作ろうとしたのだ。


無理やり作らせてすまなかった。」


「わかっていることです。私は親父の....父の会社を次ぐ立場の人間なのですから。」


「私は大樹に心を通わせられる人と婚約して欲しかったの....。だからさっきのことを聞いてみたくなってしまった。」


「大樹、奈々子が倒れる少し前、西月家に連絡してしまったよ。正式に婚約させましょうと....。」


それを聞いたお袋が....。


「誠ちゃん!なんで!大樹の気持ちはどうするのよ!?」


「大樹が言ったのだ。父に任せると。」


「親に任せるって....。大樹の本心ではないことぐらいわかるでしょうよ。あなたは大樹が子供の頃はいつも大樹が意見しても聞く耳を持たないから....。

父に対して大樹は諦めてしまう子になってしまったのがわからないの!?」


「お袋....そんなに声を...「大樹は黙りなさい。」


「はい。」


俺のために怒鳴ったら体に障ってしまうのに...。


「今すぐ取り消しなさい。」


「それは無理だ。」


「なんで?こちらのほうが....。」


「あちらから婚約を提示してきたのは確かだが....。俺も婚約させる気はなかったし。

だがあちらは経済的にもまいっていてだんだん婚約交渉がエスカレートしてきて、今は一方的に攻撃してくる形になっている。

ご令嬢には全く問題はないと極秘調査でわかっているが....。」


嫌な予感....。


「大樹がご令嬢より別の子を気にしているのだろう?たしかにこちらのほうが権力的にも強いが....西月家が何をしでかすかわからない以上、取り消すことは危険。」


山岸さんに危害を加えかねないってことか?


「じゃあなんで婚約受けたんだよ。」


「完全には受けてない、今はあくまで口約束であって、我が家の決まりでは行為をしてから婚約発表することになっているだろう。」


親父が何をしたいのか全くわからない。
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