お嬢様の秘密Ⅱ
3章
近づく距離
ーーーーニュースよ
ーーー何々?
ーーーーーーー大樹様がついに御婚約されるそうよ
朝からその話題で持ちきりの教室。
私は恵梨香といつもの様に一緒にいてその話を耳にした。
大樹が婚約…………?
「お相手は恵梨香様だそうよ。」
「お家柄も大樹様に相応しいわね。」
家柄…………
何となく私の頭には“家柄"という言葉が妙に響いた。
「りー………あのね。昨日の夜急に実家から連絡が来て言うタイミング逃してしまったのよ。
以前までは私は婚約者候補の1人に過ぎなかったみたいなんだけど、今日から正式に婚約者になったの。」
そうだった……。
大樹と婚約するかもって聞いた話をすっかり忘れてた。
「えりーおめでとう!前に話したときより大樹のこと好きになっていくの知ってたよ。
よかったね。」
「ありがとう、りー。言うの遅れたから怒られるかと思ったの。」
「そんなことで怒らないよ。」
どうしてだろう………。
大事な親友の婚約を心から喜べない………。
「りー?どうしたの、顔色良くないよ。体調悪いの?」
え?
「大丈夫だよ……。」
私がおかしいんだ。
「やっぱり変だよ、行こうよ医務室。」
「大丈夫だってば。」
つい滅多に出さない大声を出してしまった。
シーンと静まり返る教室。
「何があったんだ?」
タイミング悪く、普段滅多に教室に来ない大樹が来た。
「りー………。」
「ごめん、えりー…。私今日は帰るね。」
「え?ちょっと…」
えりーの言葉を最後まで待たず、私は教室から逃げた。
そんな私の姿をえりーは無表情で見ていたのを知らずに………。
ーーー何々?
ーーーーーーー大樹様がついに御婚約されるそうよ
朝からその話題で持ちきりの教室。
私は恵梨香といつもの様に一緒にいてその話を耳にした。
大樹が婚約…………?
「お相手は恵梨香様だそうよ。」
「お家柄も大樹様に相応しいわね。」
家柄…………
何となく私の頭には“家柄"という言葉が妙に響いた。
「りー………あのね。昨日の夜急に実家から連絡が来て言うタイミング逃してしまったのよ。
以前までは私は婚約者候補の1人に過ぎなかったみたいなんだけど、今日から正式に婚約者になったの。」
そうだった……。
大樹と婚約するかもって聞いた話をすっかり忘れてた。
「えりーおめでとう!前に話したときより大樹のこと好きになっていくの知ってたよ。
よかったね。」
「ありがとう、りー。言うの遅れたから怒られるかと思ったの。」
「そんなことで怒らないよ。」
どうしてだろう………。
大事な親友の婚約を心から喜べない………。
「りー?どうしたの、顔色良くないよ。体調悪いの?」
え?
「大丈夫だよ……。」
私がおかしいんだ。
「やっぱり変だよ、行こうよ医務室。」
「大丈夫だってば。」
つい滅多に出さない大声を出してしまった。
シーンと静まり返る教室。
「何があったんだ?」
タイミング悪く、普段滅多に教室に来ない大樹が来た。
「りー………。」
「ごめん、えりー…。私今日は帰るね。」
「え?ちょっと…」
えりーの言葉を最後まで待たず、私は教室から逃げた。
そんな私の姿をえりーは無表情で見ていたのを知らずに………。