お嬢様の秘密Ⅱ
お母様はふふふと笑っていた。


「青春っていいわねー!」と。


「学生時代を思い出すようだわ!!」


すごい嬉しそうな大樹のお母様。


「大樹はあなたのこと余程大事にしてるみたいよ。 」


「でもそんな………。そんなことないと思いますよ。クラスでも男女分け隔てなく接しています。」


「それは世間体を少し気にしているだけなのかも。あの子は妙に大人なのよ。親としてはもう少し頼ってもらいたいって思うほどね。」


お母様は怪しむような顔をして聞いてきた。


「単刀直入に聞くわ。…………大樹のことどう思ってるの?」





本当のことを言ったらどうなるんだろう………。


今までで優しく接してくださってたのを嘘のように変えてしまうのだろうか………。


婚約者は家柄がいい、えりー………私は特徴のない一般人。







「莉依紗さん。」


私は、はっと気を取り戻して………


「どうして泣いているの………。」


目元を触ってみると大粒の涙が溢れていた。





「私は、私は…………





大樹…………大樹さんが好きなんです。」




ついに口に出して言ってしまった。






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