お嬢様の秘密Ⅱ
「ほらね。」と小さくお母様は私にウィンクした。


そうなのかな………。


でも婚約が決まってるんじゃどうしようもないよ………。


「お袋、急なんだが話したいことがある。かなり至急の要件なんだ。

ごめん莉依紗、竜也と先にヘリに戻っていてくれないか?」


大樹の顔がいつになく険しかった。


「分かりました。では私は退出いたしますわ。」


さてなんてお呼びすればいいのか………


目がキラキラしているように見えるんだけど………


「………お母様………。」


「やっと言ってくださったわ!!またいつでも来てちょうだい。私はしばらくいることになりそうだし。」


そんなに体調が悪いのに来ていいんだろうか。


「今度は大樹なしでいらっしゃい。受付に名前を言えば通すようにしておくわ。」


え………。


そこまでしてくださるの………。


「ではお言葉に甘えさせていただきますね。じゃあ先に帰ります。御機嫌よう。」


「御機嫌よう。莉依紗さん。」






緊張した………。


「大樹のあんな顔初めて見たかも。いいもの見せてくれてありがとな、莉依紗。」


え?口調が全然違う……。


「俺だって私的な時はこういう話し方だぞ。慣れてくれ。」


苦笑いされた。


そして、ヘリの前に到着し、先に乗せてもらった。


竜也さんは警備のため、機内には私1人。


緊張が一気にほぐれ、私は意識を手放してしまった。
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