お嬢様の秘密Ⅱ
ー数分の沈黙があった。


「はあ………お袋には黙って置けませんね。もうあなたは見抜いているのでしょう?」


「ええ。そうね………。あなたがあなた自身の私的な空間に踏み入れさせた女の子は見たことがないんですもの。」


「あっちにいた時、付き合っている女はいましたけど?」


「上辺だけしか自分を見てもらえなくて結局別れる………っていうのを繰り返してたって聞いたけど?」


「それは誰から?」


「竜也から。」


アイツ………喋りやがったな!


「婚約どうするつもりなの?」


「僕は正直恵梨香さんとは付き合える気がしない。内面を見てくれているけど、演技しているようにしか見えないんです。」


莉依紗はあの子に対しては何も警戒心を抱いていないようだが。


「でも、婚約破棄は親父しか出来ないから。なんとか頼んでみます。

とりあえず、親父に体調を治してもらって、会社を維持させるのが先でしょう。」


「そうね………。」


「お袋……。親父の動機はよく分からないけど、お母様を襲ったことに関して大分ご立腹だぞ。」


「大樹も調べてくれてるって聞いたわ。でも、そんなことしなくてもいいわ。」


「なんで………?」


「だってあの子は………。」


「お袋、犯人………相席を頼んだやつ知ってたのか!?」


「…………………知ってる何もあの子は………」


ーゲホゲホッ


「申し訳ございませんでした。責めたてて。」


「教えられないけれど………。大樹が調べる気ならしょうがないわね。……私を軽い症状で済んだからいいけど病院送りにした人を見つけてみなさい。」


「はい。かしこまりました。」


「それと…………。



気持ちははっきりさせるものよ。」


………………


「…………失礼いたしました。」





-大樹side end-
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