お嬢様の秘密Ⅱ
―......なんか眩しい.....。


私はうっすら目を開けた。


「お目覚めになりましたか!お嬢様。すぐに医師をお呼びいたしますので!」


誰の声だろう.....。


「お嬢様。夕食をお持ちいたしましたよ。」


「夕食.....。」


お腹は空いていないけれど少しいただこうかしら。


そう思い起き上がろうとしたけど....。


「痛い!」


お腹が無性に痛くてそのまま横に転んでしまった。


「....っと。ゆっくり起き上がりくださいませ。全身打撲なさっているのですから。」


「なんで.....?」


「え.....?」


私の大勢を支えてくれている男の人は目を丸くしている。


「お嬢様.....?何があったか覚えていらっしゃらないのですか.....?」


はっと我に返る。


思い出そうとするけどすぐに頭痛が起きる。


待って.....



「私.....名前は山岸莉依紗。それは覚えてる。だけど名前以外全く思い出せないの....。」


「では.....私の名前は覚えておいでですか...?」


改めて支えてくれている人の顔を見た。


「......わからない......。」


名前以外のすべての記憶を失っていた.....。






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