お嬢様の秘密Ⅱ
「国松家は代々お嬢様の家系に仕えるのだそうですよ。」


雷也がそっと教えてくれた。


でも………


「今までいたことないわ。国松………ややこしくなるから和人さんがいる間は優斗って呼ぶわ。

優斗は学園側が手配した執事科に通う執事じゃない。」


「偶然ではございませんよ。」


「でもなんであなたがそう言い切れるのよ。」


「事情は全て聞いておりますので。」


私より知っているなんて………なんか不思議ね。




案内された部屋は普段なかなか使わない部屋。


広くて会議に使えそうな家。


そういえば………私の実家って広い方なのかしら?


昔お母さんは一般的よ、なんて言っていたけどよく考えたら実家があるこの辺は一等地だわ………。


一般的だって思っていたけど認識を変えた方がいいのかもしれないわね。


「お嬢様……ここは家というかお屋敷ですよ……。」


雷也は少し呆れた表情をしていた。


「そうなのかしらね………。」


「お嬢様は意外と鈍いんですか……。」


そうなのかもしれないね。


友達の家に遊びに行ったこと………分からない思い出せない。






< 66 / 318 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop