お嬢様の秘密Ⅱ
「ちなみに雪穂も警察官だったからな。」


お祖父様の隣にいたお父さんが教えてくれた。


「ええ。警部補くらいまで早々出世出来たんだけど、莉依紗を妊娠した時に辞めてくれって懇願されちゃったの。」


お父さんってその時からお母さん大好きだったのね……。


気持ちはよく分かるんだけど………。


お母さんは幸せそうな顔から一転真面目な顔になった。


「それからね。もう一つ大事な話なの。私から話しますわ、お義父様。

山岸家は代々警察官僚を輩出しているって言ったでしょ?そこでね………莉依紗か沙那のどちらかに………。」


「目指して欲しいんですね、お父様達みたいに。」


「ええ。お父さんには弟がいて警視くらいに出世なさっているけど……。長男直系はあなた達なの。」


「でも私たちは女ですよ………。」


「関係ないわ。私たちは出世するために警察官になったわけじゃなくて、たまたま官位が上がっていっただけなの。」


「じゃあ………小さい時いろいろ習わされたのって………。」


「あなたは警視総監の孫だし何かしらパーティーとかに出席しなくてはいけないから困らないように習ってもらったのよ。」


小さい時、本を読もうと思ったら家には推理小説しかなくて………。


気づいたらはまってしまって、ほとんど読破してしまったこともある。


「あなたは目指したい職業はあるの?」


「ない………。前は探偵になりたいなって思ったこともあるんだけど………。」


警察官か………。


「でも成長してお父さん達の仕事って大変だけどやりがいも大きいんじゃないかなって思って………。

いいなとは思っていました。今も思っています。」


私の言葉は嘘じゃない。


「じゃあ目指してみてくれるか?」




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