お嬢様の秘密Ⅱ
-莉依紗side-


バタンと強い力でドアを閉め出て行ったユリ。


近くにあったソファーにドンと腰をかけた。


「みんな。今日は帰ってちょうだい。」


国松が無理やり来客者たちを退出させてくれた。







そうよ....。


あの子を苦しめないためには自分からこの学園を去る方が....。


「奥様、これで本当によろしいのですか?」


国松がそっと聞いてくる。


「良くないわ!でも...。しょうがないじゃない。だって....。」


「でも奥様はユリお嬢様のために紗那様に託されたのでしょう?」


「そうよ。だけどあの子には娘を捨てた母親としか思われていないわ。当然よね。だってもうあの子が3歳の時以来、あの子の前に姿を現していないもの。」


はぁ....。


私はどうすれば良かったのかしらね.....。






ーピピーッ


このテレビ電話着信はお義父様?


「ユリが退学したそうじゃないか。」


流石ですわね...…情報得るのが速いわ。


「真理亜が私が母親だと言ったことに動揺していました。」


「その件か...。」


「お義父様。継承権を捨てさせたユリをなぜ、この学園に呼んだのですか?お義父様は真理亜を後継として選ばれるおつもりだったのでしょう?」


「最近の真理亜の行動には目に余るものだ。このままエスカレートさせる危険が高いから念のため……という形で呼んだというのもあるかもしれないな。

しかしユリには真理亜ほどの力がない。だから真理亜と直接戦い、継承権を自らの手で復活させて欲しかった。」


お義父様の本心なんだろうか………。


「お義父様は血筋を気にされない方ではなかったのですか?」


「確かに気にはしてない。しかし、ユリは警視総監の孫ぞ?警察界にも顔を効かせられるじゃないか。」


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