お嬢様の秘密Ⅱ
文化祭、舞踏会と目まぐるしく過ぎていき、今は10月。


2学期に入ってからなぜか恵梨香は一度も来なかった。


「恵梨香様どうなさったのかしら………。舞踏会では優秀賞を取っていらっしゃったから今年も楽しみにしていたのに………。」


「私もよ。来賓された方々もがっかりなさっていたわ。噂では体調を崩されて実家で療養中だそうよ。」


「まあそうなの?私は留学中って聞いたわ。莉依紗さんは何かお聞きになって?」


「いいえ、何も………。」


噂が立っているのは知っていたけどどれもバラバラで信じがたいものだった。


でもどこから噂って立っているのかしら。


最近も大樹は私がいじめられないように気にかけてくれたのか教室ではメール。


隣の席になっても必要最低限しか話さない。


休日にお互いの部屋に遊びに行くくらい。


まあ………溜まっているらしくて気を失いかけるほどキスされるんだけど………


大樹は最近二人っきりのときは“りい”と呼んでくる。





すぐに話題は次の話へ。


クリスマスとかランク分けテストとか秋、冬っていっぱいイベントがあるのね………。


そろそろ寮に戻ろうとして荷物を片付け始めた時………


ーガラ


教室の扉が開いた。


「え………恵梨香…………。」












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