運命だと初めて信じた恋。
しばらくの沈黙。

そしてその沈黙を破ったのは私…

「美由紀、私ね?ホントに竜也が大好きだったの。」
『ぅん。』
「でも…もう、好きも言えないし竜也の隣にいられないんだ…」
『…』
「もう笑いあうことも、二人で楽しく話したり、デートも、何もかもできなくなったんだ…」
『…』

私の話を美由紀は静かに聞いてくれている。
私はさらに続けた。

「美由紀…私…まだ竜也が好きだよ…」
『ぅん』
「私竜也のこと諦めなくてもいいかなぁ?大好きでいてもいいかなぁ?…」

また、堪えていた涙がこぼれる。

『想うのは人の勝手だもん。いいに決まってる。しかも、そんなすぐに諦めるなんて無理でしょ?好きなんて当たり前だよ。そんだけ竜也のこと大事に想ってたって証じゃん。』
「ぅん…ぅん…ぅうっ」

私の目からは止まることなく大粒の涙がこぼれる。

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