記 憶 喪 失 ー あなたは誰? ー

樹里も舞も見ていたのか、目を見開いていた。

…好きな人が目の前でキスされるなんて…。

耐えられないよ。

…まだ、唇じゃなくてよかったけど。

多分、唇だったらうちは気絶していただろう。

そして彩は、うちらに微笑みかけると

「俊くんはウチの物だからっ♪」

と言って、何処かへ行ってしまった。

舞も樹里も呆然と立ち尽くしたまま。

うちがなんとかしなきゃっ…。
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