記 憶 喪 失 ー あなたは誰? ー
「え…?」
舞は首をかしげてそう言った。
…気付いてないの?
え?じゃねーよっ!!
ウチのなかで何かがプチンと切れた。
きっと、怒りの糸だろう。
「あんたばっかりズルいんだよ!!なにもかも完璧でモテて…なんであんたなのよっ!!」
…舞は、無自覚過ぎる。
そういうところ、一番むかつくんだよ。
怒鳴った勢いで、ウチは………
_舞を横の階段に突き飛ばしてしまった。
ウチ、なんてことをしてしまったんだろう。
最初から、突き飛ばすつもりではいたけど。
やってしまった。
横から、舞の苦しんでいる声が聞こえる。
「痛いっ…。」
そう、はっきりと。