記 憶 喪 失 ー あなたは誰? ー






「ちょっと!彩ちゃん!?」




おばさんが呼び止めるけど、


振り返ることはない。



ただ、走る。









___…。




見慣れた大きな家が見えてきた。




…ウチの家だ。




いつの間に…。








「ただいまー。」


「お帰りなさいませ!お嬢様!!」







沢山の声が聞こえる。











…そう。




ウチの家は自分で言うのもなんだけど



…結構、金持ち。





会社の令嬢だもの。








「どうしました?」



新入りメイドの



みのりが言った。







「いえ…なんでもないわ。」





そう言って、ウチは自分の部屋へ急いだ。






家は、広すぎて





自分の部屋しか場所は





覚えていない。

















< 81 / 207 >

この作品をシェア

pagetop