REAL-リアル-

なにこれ・・・




餌に群がる蟻みたいに

頭で真っ黒





「ねぇねぇどこ中?」


「名前は?」


「よろしくねー」


「何組だった?
一緒に行かない?」






初々しい会話が耳に嫌というほど入ってくる






一番後ろに居ても
見たいものは見れない!!







「負けるかー!」

あたしは前へ突き進んだ





意気込みとは裏腹に
「すいません」
といちいち謝りながら進む



何か申し訳ないじゃん!?







そして
あたしは最前列へ躍り出た



1年1組




あたしの名前はない




1年2組



「鈴木・・・鈴木・・・」

鈴木は多すぎて困る



何人いるんだよ!



何でこんな名前なんだ


こういう時はひどく後悔する




【鈴木栞】

違う

【鈴木しいか】


違う


どんだけ
さ行
いるの



【鈴木純】


「よし」


やっと発見


もー疲れた



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