REAL-リアル-



「やっぱり仲良し」

あたしは独り言としてつぶやいた

「だよな」

独り言なのに言葉が返ってきた



目が合って
笑い合ってしまった



「バスケしようか!」

「ボールってどこで・・・」
あたしボール持ってきてないよ!?
貸してくれるんでしょ


「あ!持ってきてない?
じゃあ俺の貸すよ!」


「ありがと・・・おお!?」

「どうした純ちゃん」
竜くんは
あたしの反応を見て笑っている


「なんか初めてボール見た人みたい
ほんとにバスケやってた?」


「失礼なっ
これでもキャプテンの背番号4番でしたー」

「えー・・・
俺、純ちゃん運動オンチかと思ってた」


竜君をにらんで目をそらした
ふっと竜君はわらった


「男子のボールってでっかいね・・・」
「まぁね」

女子のは一回りぐらい小さい
男子のボールが大きくてびっくりした


「あたしこれ・・・無理かも」


隣のコートでは
すでに朱莉に智が教えている


「えっ!?
純ちゃんもああいう風にやってほしい?」


朱莉を指さして笑う竜君



え?

無理
もっと無理
「やだ」

「地味に傷つくよそれ」

「ふふふっ
これさ・・・コントロールしにくいよ」



試しにシュートしてみる
届かないし方向も全く違う

「へたくそ!」


しっかり持てよ

叫びながら竜君がボールを持ってきた

あたしの手を急につかんだ
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