ショートコメディの世界



「いやぁ~♪大統領、ソチ五輪開催おめでとうございます♪」


「ありがとうございます。そちらも東京オリンピック開催決定おめでとうございます」


まもなく開会式が始まろうとする時、ロシアの大統領と日本の首相は隣りに肩を並べながら、そんな挨拶を交わしていた。


「開催前はテロの妨害も心配されましたが、こうして無事に開催にこぎつけられ何よりでしたね」


「本当です。今日もつい先程まで、開場内の不審物や爆発物のチェックも徹底させましたが、特に異常は無かったという事です。本当に良かった」


ロシアの大統領は、そう言って安堵の表情を洩らしていた。ひとつの達成感を満たしているのだろう、とても機嫌が良さそうである。


「いやぁ~♪なんだかワクワクしますね♪ソチに来て本当に良かった♪」


「私も、貴方に来てもらって本当に感謝しています」


「何を言っているんですか、私とあなたの仲じゃないですか~♪」


「そう言って貰えると嬉しいです。私も日本とは仲良くやって行きたい」


「そうですとも!北方領土の問題も、あなたが大統領なら上手い解決法が導き出せるというものです!」


「そうですね。あっ、始まりますよ!」


上機嫌で会話が弾む中、開会式のカウントダウンが始まった。


スタジアムの巨大な電光掲示板に大きく数字が映し出される。


…5……4……3…2…1…0………



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