スーツを着た悪魔【完結】
そして迎えた土曜日。
深青が迎えに来てくれると言ったので、アパート近くのコンビニで待ち合わせた。
銀色のスポーツカーを駐車場に停めていた深青は、きちんとまゆのためにドアを開け、エスコートする。
「で、どこ行くんだ?」
シートベルトを締めながら尋ねる深青に、
「あの、遊園地……」
まゆはおずおずと口を開いた。
「は!?」
「デートって言えば、遊園地かなって……」
頬をうっすらと赤く染めて、まゆがうつむく。
中学生かよと文句の一つでも言いたくなったが、まゆの行きたいところでいいと言ったのは自分だ。仕方ない……。
腹をくくって、エンジンをかける。
「――なぁ」
しばらく無言だった二人。先に口を開いたのは深青だった。
「お前、どういう男が好きなの」
「えっ……?」