スーツを着た悪魔【完結】
愛したいとまで言ってくれた深青を拒んだのは自分だし、そんな気持ちは自分勝手だと非難されても仕方ないのだが、
それでも素の深青が……あの熱っぽい深青が懐かしい。
「澤田さん、こちらのリストにある会社、チェックが入っているところに、招待状出してくれる?」
「はい、わかりました」
阿部にプリントアウトされたリストを渡されて、せっせと招待状を作成する。
どうやらレンタル植物の展示会があるらしい。Orlandoだけでなく、複数の会社によって行われる展示会だという。
「出来ましたので、郵便局に出しに行ってきますね」
「はーい、よろしく~。あ、日差し強いから日傘さしたほうがいいわよ。日に焼けちゃうから」
「そうですね、持って行きます」