スーツを着た悪魔【完結】
それからまた数日後。
「まっゆちゃ~ん!」
「ひっ!?」
パソコンでメールのチェックをしていたまゆだったが、急に背後から肩を叩かれる。ビクッと震えつつ肩越しに振り返ると、平田がニコニコしながら立っていた。
「ねえねえ、今日飲み行かない?」
「あっ……あの、私、お酒あまりたくさん飲めなくで……」
「嫌い?」
「いえ、嫌いじゃないんですけど、その、平田さんお酒好きって聞いてるので、そんなお付き合いするほど飲めないと思います……」
「じゃあ食事だけでいいからさ」
「でも……」
「だって一回ものってくれないじゃん、まゆちゃん。あー……俺もしかして嫌われてる?」
「あ……」
しょんぼり顔をされて、まゆは途端に焦り始める。