スーツを着た悪魔【完結】
それからOrlandoの社員全員で、職場近くの個室がある創作居酒屋へと向かった。
テーブルは掘りごたつ方式になっている部屋だったが、無礼講と言うことですぐに席順も関係なくなった。
「あの、社長、グラス空いてますけど……」
「ああ、ありがとう」
深青のグラスにビールを注ぐまゆ。
彼はいくら飲んでも酔わないたちなのか、顔色一つ変わらない。
すいすい、煽るように飲んでいるがむしろどんどんクールになっているようにも見える。
どうしよう。深青の隣に座ってしまった。
最初は遠くに離れていたのに、ワイワイ盛り上がっているうちに席が前後して、気が付いたら隣にいて――。
まぁ、こんな風に意識しているのは私だけだろうけど……。