スーツを着た悪魔【完結】
大好きなパパとママ。
いつものようにあの中に入りたいと思った深青だったが……なんとなく、邪魔をしてはいけないような、そんな神聖な気持ちになった。
開けていた目をそっと閉じる。
パンケーキは、あとで焼いてもらうんだ……。
甘酸っぱい、苺のソースを乗せて。
「深青……」
また、誰かが僕の名前を呼ぶ。
ママじゃない……
誰だろう?
だけど、この手は好きだ。
パパがママにするように
ママが僕にするように
優しく撫でてくれる、手。
大好きだよ……