スーツを着た悪魔【完結】

「そんなに恥ずかしがらなくてもいいだろ? すげえ可愛かったよ」



痛いほど勃ち上っている自分の下半身からはとりあえず意識を逸らし、まゆを抱きしめる腕に力を込める。



「可愛いって……嘘」



客観的に見たら(見たくないけど)きっとひどいことになっていた気がする。

恥ずかしい……すっごく恥ずかしい……。



自分の痴態に本気で落ち込み、ベソベソしているまゆに、

「嘘じゃねえっつうの。好きな女が気持ちよさそうだったら男は嬉しいんだよ」

ご機嫌を取るようにささやき、

「とりあえず、悪くなかったろ?」

それから頬に音を立ててキスをする。



「――ッ……」

「な、まゆ」

「ばかっ……」



まゆはうつむいたまま顔を真っ赤にしてプルプルと震えていたが――

結局そのまま体当たりするように深青に抱きついた。



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