スーツを着た悪魔【完結】
今さらながらそんなことに気付いたまゆは、恥ずかしくなり目を伏せる。
「あの……ごめんなさい……」
「ううん違うよ、そうじゃない。なんだかビックリして……。嬉しいよ、まゆ。ありがとう」
悠馬はひどく機嫌よく笑ったあと、お守りを大事そうに仕舞い、それから運ばれてきたエスプレッソを口に運んだ。
今なら話せるかも……。
まゆはベリーのタルトのヨーグルトアイス添えから、悠馬に視線を向ける。
「悠ちゃん、あの……」
「ああ、そうだ。本題に入ろうか」
「――」
悠馬は切れ長の目を細めて、まゆを見つめる。
「一緒に暮らそう」
「悠ちゃん……」
やっぱり本気だったんだ……。