スーツを着た悪魔【完結】
その瞬間、自分の唇から、あられもない声が出る。
だけどもうそれほど恥ずかしくない。
だってこれは自然なことだもの。深青を感じている、喜びだもの。
「まゆ、まゆっ……」
徐々にスピードをあげ、苦しそうに、息をあげる深青を見上げていると、切なくなる。
もっと近づきたい。もっと受け入れたい。そう願う二人のリズムが自然と重なっていく。
お互いの息遣い。シーツの波音。甘い声。
潤いを増したまゆは、うっすらと涙目になりながら、深青の背中の肩甲骨のでっぱりを手のひらで撫でる。
これは深青の天使の羽。
深青。私の恋人……私の天使。
私に勇気をくれた。
彼に愛されることを知って、私はもう一度生きていける。