スーツを着た悪魔【完結】
「すごく、きれいなのね……」
「身内はよくわからないな。見慣れてるし」
そう言いながら、まゆの顔を覗き込む。
「だけどまゆが妬いてたなって、そう思ったら片づけたほうがいいような気がしたんだ」
「もうっ……」
まゆはため息をつきつつも、うなずく。
いつか深青のご両親や、上の妹さん……美咲さんに会う日が来るまで、もっと真剣に自分磨きをしたほうがいいんじゃないか、なんて思いながら。
「代わりにまゆの写真を飾りたい」
「そ、それは、いいよ……そんなの、見たくないもん……」
まゆの小さな独占欲が死ぬほど可愛い。
身もだえしたくなるほど、愛おしい。
「お前、俺のこと好きだろ?」