塔の中の魔女
――――なんじゃ、こやつ。ばあさんの次はちびじゃと?
エカテリーナは青年の言動に内心で呆れつつも、人と接するのは滅多にないことだからと、
怒りをおさめて短く答える。
「違う」
それでも、僅かばかりの怒りは滲み出ていただろうけれど。
青年はそれに気づかず、首を捻っている。
エカテリーナが馬乗りになったままであることは、気にならないらしい。
冷たい石畳の上で同じ姿勢を保ったまま、呟いた。
「それじゃあ、侍女……にしては小せぇな。……弟子とか?」
「違う」
首を横に振り、とうとうエカテリーナは拗ねたように言い放った。
「わらわがそなたの言う、ばあさんじゃ」