夢の欠片
「だけど浮気相手はそんなことはわかっちゃいない

ほとんどが体が目当てだった。

だけどそれでも少しの間、自分だけを見てくれる人がいれば、寂しさが埋められたのかもしれない。

でも俺はそんなあやを見てられなかった……

もし、俺がいることでそうなってるなら、離れた方がいいんじゃないかと思うようになったんだ。

でもあやにひなを預けていくのは危うすぎたから、俺が引き取るって申し出たんだよ。

だけどね?

お母さんはひなを手放さなかった。

この子は私の子なんだって譲らなかったんだ。

だからお父さんは仕方なく諦めた。

これ以上……お母さんが壊れてしまわないように……」


お母さんが?


私を手離さなかった……?


なん……で?


私がいなければもっと楽に生きれたのかもしれないのに……


お母さんは私を必要としてくれていたの?


気付くと涙が溢れてた。


ポロポロと頬をつたって流れ落ちていく。


自分の今までしてきた反抗はなんだったんだろう?

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