夢の欠片
「お父さん見つかって良かったなぁ」
翔吾がそう言って、自分のことのように喜んでくれる。
私はお父さんに会えたことを、報告できる相手がいることに改めて感謝した。
やっぱり喜びを分かち合えるのは嬉しい。
「いろいろ話も聞けたんだろ?
で?次は2番目のお父さんを探すのか?」
「うん、そうするつもり……
だけど、一緒に住んでたのって三歳から六歳までの三年間だから、小さすぎてどこの場所だったか覚えてないの……」
夏休みも、もう半分くらいが過ぎて、もうすぐお盆がやってくる。
実家にはずっと帰ってない翔吾や私には関係のない行事だけれど……
でも普通の家はきっとお墓参りに行ったり、実家に帰ったりするのかもしれない。
出来ればその前に健を見つけ出したかった。
「こないだのお父さんの話だと、その2番目の人と会ったことあるって口ぶりだっただろ?
もしかしたらお父さんに聞けばなんかわかるんじゃねえの?」
翔吾が私の言葉を受けて、そうヒントを与えてくれる。