夢の欠片
「どした?顔真っ赤だぞ?

熱でもあんじゃねえの?」


そう言って、私のおでこに手をそっと当ててくる。


私はますます体が熱くなって、心臓の音が翔吾に聞こえてしまうんじゃないかと思うくらいドクドクしていた。


そんな私の恋心をちゃかすように、次の瞬間デコピンをされる。


「痛っ!なっ…何すんの!」


ビックリしてそう叫ぶと、翔吾はニヤニヤ笑いながら、私に言った。


「だってずっと黙ったまんま真っ赤な顔して俯いてるから、ちょっと意地悪したくなっちゃって」


そう言ってデコピンで赤くなった額を優しく擦る。


「あんまり可愛いことしてると、襲っちゃうよ?」


――えっ!?


うそ……もしかして女として見てくれるようになったの?


私はそんな心の準備も出来てないくせに、翔吾の言葉が嬉しくて、目をキラキラさせながら彼を見つめた。


そんな私に、翔吾はちょっぴり困ったように笑う。


「そんな嬉しそうな顔されても困るんだけどね……

冗談だよ、冗談!

期待しちゃった?」



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