夢の欠片
「あの……

父は留守ですか?」


「うん、そうなの

ごめんね?

今日は仕事で帰り遅くなりそうなんだ

でも、お父さんいなくてもゆっくりしていって?

私で良ければ、ひなちゃんともっとお話したいし」


素敵な笑顔を見せてそう話す愛未さんが、私はとても好きだと思った。


愛未さんの言葉には社交辞令とかそういうものは一切感じられなくて、ストレートに心に響いてくる。


こういう大人の人に会ったのは、愛未さんが二人目だ。


私はそんな大人に出会えたことを嬉しく思う。


長谷川校長に会った時も同じ印象だったな……と思い出した。


「わかりました

じゃあお言葉に甘えて、今日は愛未さんに話聞いてもらおうかな?」


そう言うと愛未さんは、本当に嬉しそうに笑った。


よく笑う人だな……


笑う門には福来たるって言うけど、それを絵に書いたような人だ。


彼女の周りには幸せなオーラがキラキラしているように見える。


私はさっきまで不安に思っていたことを、愛未さんに相談してみることにした。


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