夢の欠片
「あの……実は愛未さんに相談したいことがあるんですけど」


「えっ?何だろう?

お父さんのことかな?」


愛未さんは、急な申し出にも動じることなく、真剣に聞いてくれようとしていた。


「お父さんのことっていうか……

実は私が幼い頃、一緒に暮らしてた2番目のお父さんがいるんですけど……

どうしても会いに行きたくて……

でも小さかったから、住んでる場所とか覚えてなくて……

だからお父さんに、その人の住んでる場所を知ってたら教えてほしかったんです」


私が一気にそう言うと、じっと聞いていた愛未さんが口を開く。


「もしかしてお父さんに聞くかどうかで悩んでる?」


私は思っていたことを言い当てられたことに驚いて、愛未さんの顔をまじまじと見つめた。


「やっぱりそうか……

ひなちゃんは優しいんだね?」


「えっ?何でですか?」


思ってもみなかったことを言われて驚いた。



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