夢の欠片
愛未さんの言葉は、私の中にどんどん入ってきて、不安を安心に変えてくれる。


私はお父さんに話す勇気が少しだけ湧いてきた。


「愛未さんに相談して良かったです!

お父さんに話してみることにします

ありがとうございました!」


頭を下げてお礼を言うと、愛未さんは嬉しそうに笑った。


「良かった!

ひなちゃんの役に立てて嬉しいな

こちらこそ、相談してくれて嬉しかったよ?」


愛未さんの瞳が少しだけ潤んでるような気がした。


「愛未さんのおかげで、父も幸せそうだし、突然現れた娘にもこんなに優しくしてくれて、ほんとに感謝してます」


すると愛未さんは、ふっと寂しそうな表情をして目線を下に落とす。


こんな表情の愛未さんを見るのは初めてだったから、私は戸惑った。


「浩一さん……あなたのお父さんは、ずっとひなちゃんのこと心配してたのよ?

私は結婚する前からずっと浩一さんを見てたから……わかる」


ずっとって……


この人はいつから父に思いを寄せてくれていたんだろう?


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