夢の欠片
翔吾が心配してくれているのはわかってるけれど、あまりの怒りっぷりに私は何も言えなくなる。


すると今度はずっと翔吾に怯えて固まっていた少年たちの一人が口を開いた。


「翔吾さん!俺ら別に何か変なことしようとか思ってたわけじゃなくて……

純粋に一緒にカラオケとか行こうと思っただけで……」


片方の少年が一生懸命言い訳をしていると、もう片方の少年が、それに乗っかって話し出す。


「そっ、そうなんすよ!

まさか翔吾さんの妹さんだとは知らなくて、すいませんでした!」


二人はあたふたしながら、なんとか翔吾の機嫌を直そうと必死だ。


それでも翔吾は鬼の形相を崩すことなく、二人にまた視線を移す。


「俺の妹とか関係ねぇんだよ!

見て誘っていいか、悪いかくらいの区別つくだろ!?

どうみたって中学生みたいな子供に声かけてんじゃねぇよ!

その辺でナンパ待ちしてる女が山ほどいるだろ?

それともお前らみたいなガキじゃ相手にしてもらえねぇのか?

だからって抵抗も出来ないような弱い女を軽い気持ちでナンパするようなことすんな!」


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