夢の欠片
「そうか……
それでひなは二番目のお父さんに会いたいってわけなんだな?」
「うん……そうなんだ……
とっても可愛がってもらったのは自分でも覚えてるから、お礼も言いたいし……
それにお父さんから話を聞いた時みたいに、その時の状況を知ることで、お母さんと向き合えるようになるかもしれないって思って……」
今日はあれから改めて父がいる日を確認してから、マンションを訪れていた。
だいたいのことは、もうすでに愛未さんが父に話してくれていたらしく、おかげでスムーズに健のことを聞くことが出来ている。
父も私の葛藤を知っているからか、気持ちよく話を聞いてくれていた。
「うーん……知ってるには知ってるけど、ひなとお母さんが彼の家に住んでた時に、一度だけそのマンションに行ったことがあるだけだからなぁ
もし、引っ越したりしてたらアウトだぞ?」
「うん、それはね?
覚悟してるんだ……
お父さんの時だって、もし引っ越してたら諦めるつもりだったから」
そう言って笑うと、父はおどけながら冗談ぽく話す。